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舞台「罠」再演+09年初演版

2010.05.30

今回の会場「兵庫県立芸術文化センター」ですが、新しくて綺麗な箱でした。
初日のトークショウで初風さんも口にされてたんだけど、すごい客席が上にせり上がった独特の造りになってるのね。

――この画力と遠近感のなさ……(^^;;;

2階からだとらせん階段よりもさらに上で、本当に上から覗き込むような感じ。
でも前列との段差もすごくて、本当に見やすい劇場でした。
ちなみに2日目も私かなりの後方列で、固定席の中では最後列だったんだけど、これまた通路自体が不思議と斜めになってるもんで、客席も前列と2階ほどではないけど高低差があって、次の列は前列の間にしっかりと設計されてて観客に優しい造り。
あんまりオペラグラス使わないでも観れたぐらいでした(*´∀`*)



物語の冒頭、初演の09年版は優雅なクラッシックではじまり、途中音が大きくなるところでビクッとする仕草。
再演の10年版は、物語を表すようなサスペンス・スリルを髣髴とさせる火サス系のイントロで幕が開ける。
この辺からして、すでに作り方が違うな……とは思ってました。
初演ではダニエルはレコードを替えたりするシーンもあったけど、今回はエリザベートの写真をじっと見つめ、同じように煙草をふかしてグラスのアルコールを煽るダニエル。

髪はオールバックで、今回は素肌に白シャツを着ていて、ボタン部分は合わせデザイン、黒の靴とズボンというシンプルな出で立ち。
個人的には、舞台という非日常な世界だからこそ、煌びやかな衣装が好きです。
だから、ダニエルのこの黒白の組み合わせも好きだけど、本音を言えばシンプルすぎるだろ、と。


色々な成長部分もあった今作ではありますが、私としての最大のダメ出しは、まさしくこの衣装ですね。
ダニエルに関して言えば今回の衣装は足が凄く長く見えるっていう利点はあったけど、やっぱシンプルすぎる。
初演のダークグリーンのパンツとベスト、それにサスペンダーが強烈に印象に残ってるし、あえてああいう格好の方が映えてていいし。
エリザベートに関しても全く同じ。
今回はグリーンのロングドレスかツイードのツーピースっぽいので、全くヒラヒラ感がない(涙)
一応伯父の遺産を受け継ぐぐらいのそれなりのお金持ちなわけだし、もう少し華美な雰囲気出して欲しかったなあ。
せっかくえみりちゃんが髪型も半分マダムな感じでいい雰囲気だったのに、正直衣装で台無し。
初演のエリザベートは、ベロアの姫袖のワインレッドのドレスがめっちゃ綺麗だった。
(まあこの辺は個人的な私の服の趣味もあるんでしょうけどねw)
ベルトンにしても、真紅のロングドレス(こちらもツーピースっぽかった?)に帽子姿の出で立ちなんだけど、もう単色しか使ってないうえに似たようなロングドレスだから舞台が映えない映えない……。
色はそれこそクリスマスカラーで明るいんだけどね、こうデザインがないわーっていう。
ベルトンって、それなりに気位高くてがめついとしても、結局は空気読まないようなさばさばしたおばちゃんな訳で。
だからこそ、前作のベルトンみたいなおばちゃんおばちゃんした普通の服でも良かったんじゃないかなーって思うわけです。

あ、カンタン警部とメルルーシュは前回同様特に変なとこも、むしろいいとこもなく(笑)
まあ警部はスーツとコートだし、メルルーシュは自由奔放なアーティストだし。
マクシマン神父は、腕まくりが…………。
まあ神父に関してはキャラ考察に関してもいいたいことがあるので、後述します。




東京公演のアウタートークショーで語ったものが坂上さんのラジオで配信されており、そこで流れていたのですが、「計画殺人」と「衝動殺人」の違いが最大のポイントというところ。
(誰が誰を殺したかとかはネタバレしませんよ! まあ察しの良いかたにはバレますがw)
殺人ひとつを描くにしても、その殺人の裏側に潜む真意、悪意、思い、苦悩、色々あるわけで。
その視点を切り替えただけで、同じ脚本でも変るんだなあ……というのが凄くありました。


今回のダニエル、初演のときよりもさらに感情の起伏が激しくなっていて、子犬度三割増しww
ギャンギャン吠えるわ騒ぐわ怯えるわ(笑)
初演はとにかくダニエルが追い詰められていくイメージしかなく。
これは計画的にしてしまったことがいつバレるのか、でも、エリザベートのことは届け出ないといけないとか、色々と心労が重なったことへの怯えだったのでしょう。
今回はとにかく"何かを考えている"素振りや仕草が多く。
これは初演でもだったんだけど、ダニエルは不安なことや考えごとをするとき、右手(?)を口元に持っていくクセがあるんだよね。
これは今回も健在で。
そして、弱さ・脆さが前面に出ていた気がした。
孤児だったダニエルの独りの寂しさというか、強い他者からの力(暴力)に対する哀願しかり。
「ごめんなさい。ごめんなさいっ」と言いながらうずくまって震えるダニエルの姿が、私の目に焼きついてます。
初演のエリザベート失踪に関する諸々の不安にプラスして、今回はこのダニエル本人の見えない過去への怯えが強く描かれていたと感じた。

そんなダニエルを取り巻く人々のダニエルに対するやりとり。
「あなたにはウジ虫一匹だって……」というベルトンのことば、そして警部の言葉とエリザベートの最後のまなざしが凄く印象に残ってて。
パンフに記述されていたんだけど、ダニエルって"守ってあげたくなる"って。(初風さん・岡田さん・松田さん)
そうなんだよね。ダニエルってどうしても子犬みたいで、なんだか憎めないのです。
その辺が、きっとエリザベートのまなざしに反映されてるんじゃないかな、と。

ラストシーンの狂気染みたところでダニエルが口にするとある言葉の後。
初演では口にした後即正気なって、ハッとした表情になったんだけれど、今回はややしてからハッと気づく。
まあ確かに普通の反応としては後者なのかもしれないと思った。
間があることで、さらに"しまった……"という感、そしてとうとう解放されたという複雑なしがらみからの脱出が込められたワンシーンですね。


さて。今回の再演の「罠」ですが、個人的にどうしても受け付けなかったのが、マクシマン神父。
マクシマンというキャラ自体はいいんです。
ただ、演じ手の演じ方、そのキャラの作りこみ方ですよね。
正直思い返せば、川岡さんのマクシマンの作りこみ方が独特で強烈すぎたってのもあるのかもしれない。
でも、今回の上山くんのマクシマンは、はっきりいって見ていて気分の悪くなるキャラでした。
口調も荒いし乱暴だし。
川岡さんは一癖も二癖もあるキャラ設定で、文字通り胡散臭い神父。
でも決して暴力的ではなくて、あくまでものらりくらりとしながらしたたかなキャラだったんだよね。
そのイメージがついていたにせよ、でも今回のマクシマン神父は個人的に無理でした。


総評としては、ダニエルの描き方や和樹くんの演技としては再演の方が素晴らしかった。
けれど、舞台としての映え方、美しさとしては初演に軍配。
ダニエルとエリザベート
個人的に配役も、私は初演の方が好きです。
もちろん、えみりちゃんのダニエルに対するひっかかる、なんか気になってしまう仕草や、初風さんの優雅な台詞回し・松田さんのおちゃめなメルルーシュも岡田さんの父性溢れるカンタン警部も素晴らしかったですよ。
でも、やっぱり衣装は譲れないです。
初演は知り合いが出てるっていう贔屓目を抜いたとしても、エリザベートには毒と優雅さがあったし(えみりちゃんは結構毒が前面に出つつ、微妙な感情が最後に現れてた)マクシマン神父は前述にも書きましたが本当に舌を巻くキャラの作りこみだったし、世話焼きなベルトンも情に厚いメルルーシュもよかったし。


もし再々演があるのであれば、私はあの作りこまれたセットや小道具に負けないような衣装と、唸らせるようなキャラを作りこんだ役者さんでの再演を見たいですね。
とりあえず、マクシマン神父、重要かと思います。
なので、正直年末の朗読「罠」は、見たいという気も起こらず。
でもきっとまたいつか、また進化したダニエルに会える日が来るんじゃないかと思ってます。
新たな出会いに期待をしつつ。
ここまできたら、毎回見たいと思いますしね(笑)
 
 
それから実は今回の「罠」地方公演ですが、お見送りと言う名の握手会つきでした。
トークショウありの日は特になかったのですが、千秋楽は握手つき。
久しぶり……というか実に約二年ぶりの握手だったので、めっさ緊張してどうにかなりそうでしたww
和樹くん→松田さん→上山くん、だったかな?
えみりちゃんとは握手できなかったのですが。

とりあえず、あっぱりすぎて何話したのか全く覚えてません\(^o^)/
ですが、温かい手でしたww



あとは前日のトークショウの話。
松田さん(メルルーシュ)がフリーダムで客席降りしてお客さんにマイクを向けて無茶振りをしてましたw
そういえば二日目のメルルーシュは登場シーンで"六甲おろし"歌いながら出てきたっけ。

東京初日にクライマックスの注射のシーンで実は岡田さんが注射器の入ったケースを持ってくるのを忘れてしまい皆で台詞をゆっくりと回しつつ、「おーい」と言って持ってこさせたというアドリブ話や、東京楽で付髭が取れてしまって、それがテーブルの上に乗っかってて和樹くんが笑い堪えるのが大変だったという話。

チーム罠の打ち上げは前日と同じく焼肉とのことで、えみりちゃんが好きな芝居をして美味しいものを食べられるのは幸せと語ってました。

和樹くんは大阪の人の反応がびっくりしたって。
メルルーシュとのやり取りに関しても笑ってくれるか一切笑わないかのどちらかの両極端だと思ってたから、ウケてホッとしたとか。
でも正直この部分は私もびっくり。
普通にシリアスなんだけど笑いがあるという。
けど思えばあのクライマックスに向かうとこも、ある意味シュールな笑いを誘ってるのかもしれないなあーと思った。
計画犯の面々と怯える人の図。
まあこれは展開知ってるから笑えるんだけどねw

お天気ネタもあって「今日はすごく天気もよくて」→私含む一部地域からパチパチw
岡田さんが首をかしげて? と不思議に「これはなんの拍手?」と言うと和樹くんが「わからないけど、俺すごい雨男だから……」とww
そうですよ、そのキミに対する拍手ですよww
雨男な加藤和樹なのにこんなにピーカンだったから、和樹ファンはそれで嬉しかったのです。


司会の方が「今回は発売と同時でチケットが売り切れで」と言うと初風さんが、「売り切れというのは本当にありがたい」と。
同じく司会の方が「明日も観に来られる方は?」との問いに私も二階席からハーイと手を上げたら、ステージ上から皆さんが会場に視線を。
ただ私の周りはあんまり手が上がってなかったなあ。
やっぱチケ入手激戦だったのかしら。
ちなみに初日、私の横は空席でした。多分売れてたけど来れなかったんだろうけどね。

あと岡田さんが結構オペラグラスの使用率を気にしてて、「双眼鏡がキラキラして気になる。観てくれてて嬉しい」と言うと、和樹くんが「後ろは分かるんですけどこう、3.4列目ぐらいで使ってる人はどこを見てるんだと」www
――サーセン私もKOBで5列目で和樹くんの玄武さまガン見してました\(^o^)/
えみりちゃんがツッコミで「ガン見やね。毛穴まで見られてる」みたいな(笑)
気を抜けないなーと語ってました。
まあ、ファンだからこそ、細かな表情一つも気になるんです。わかってください。 

 
 
【兵庫県立芸術文化センター】5.29.5.30